授業の一環として対話型鑑賞を行う森永さん(奥)と獨協医科大の学生ら

大規模インスタレーション「立方体のつながり」などが紹介されている「特集展示2 丑久保健一」の会場風景

授業の一環として対話型鑑賞を行う森永さん(奥)と獨協医科大の学生ら 大規模インスタレーション「立方体のつながり」などが紹介されている「特集展示2 丑久保健一」の会場風景

 宇都宮美術館は、本年度第1回コレクション展として、同館ならではの二つの特集展示を開催している。獨協医科大と連携した対話型鑑賞を出発点としたテーマ展と、所蔵する大型インスタレーション作品を約15年ぶりに公開する丑久保健一(うしくぼけんいち)(1947~2002年)展。実践での気づき、宇都宮で活動した彫刻家の表現の魅力に迫るなど、同館が基本方針の一つに掲げる「地域と美術」を意識した内容になっている。8月31日まで。

 「どの辺りが『怖い』と感じた?」「人に見える? じゃあ、どんな表情をしている? 性別はどうだろう」

 一枚のキャンバスを前に、講師の森永康平(もりながこうへい)さんが問いかける。「全体がどす黒い血みたいな色」「最初は二足歩行の生き物に見えて…剣を持っているような」「あ、丸刈りの男性っぽい」と学生らが感想や気付いた点を挙げていく。