下野新聞の夏の全国高校野球選手権栃木大会の名物連載「白球の詩」。ともに夢を追った仲間との日々、胸に秘めた覚悟、知られざる親子の葛藤…。連載が始まった1980年以降の紙面から、心を揺さぶる珠玉のストーリーの数々を紹介します(7月9日まで毎日配信予定)。記事一覧はこちら

【白球の詩】2011年(第93回大会)宇都宮商・君島陸投手

 延長十五回を投げ抜いた次の日も、男はマウンドに登った。初戦からの全6試合で投じた球数は822球。対峙した打者246人。56安打も浴びた。それでも、勝利のマウンドで最後に雄たけびを上げるのは、宇商のエース・君島陸だった。