米国の人気ギタリスト、コリー・ウォンが大阪、名古屋、東京で来日公演を行った。アニメ「SPY×FAMILY」で使われたVaundyとの共演作「トドメの一撃」で日本でも知られ、7月のフジロックフェスティバルには、現代最高峰のファンクバンドと称される「Vulfpeck(ヴルフペック)」のギタリストとして出演を予定している。切れ味鋭く、華やかな音色のカッティング奏法で新時代のギターヒーローとなった彼の躍動に、ファンの熱は冷めそうにない。
東京公演の会場となった豊洲PITには幅広い世代が詰めかけ、注目の高さをうかがわせた。初日の1曲目はファンファーレのような管楽器から始まる「The Grid Generation」。自身が率いる大所帯のバンドから飛び出す多幸感あふれるファンキーな音に、会場中が踊り出す。
歓声が早くも最高潮に達したのは、3曲目の「Bluebird」で聞かせた、コリーの代名詞とも言えるギターのカッティング奏法。小気味よく刻むようにギターを鳴らし、細かな音の粒が弾けるように飛び交う。
世界を旅して楽しいのは各地のミュージシャンと触れ合うことだと話したコリー。交流サイト(SNS)で見つけたという日本のサックス奏者ewikに「東京で演奏するけど来ない?」と声をかけてゲスト出演させるなど、音楽を介した輪は瞬く間に広がっていく。
インスト曲だけでなく、盟友のシンガー、アントワン・スタンレーをゲストに招いたボーカル曲でも観客を盛り上げる。「君たちは最高のオーディエンスだよ!」と笑顔を見せたコリー。「次はフジロックで会おう」と呼びかけると、大きな拍手と歓声に包まれた。
フジロックフェスティバルは7月25、26、27日に新潟県湯沢町の苗場スキー場で開催。「Vulfpeck」は26日夜、グリーンステージにトリとして登場する。