栃木県那須町湯本の鹿の湯で28日、大正後期から続く「湯もみ」の一般公開が始まり、湯もみ保存会の会員8人が那須湯もみ唄に合わせて湯をかき混ぜた。

鹿の湯で披露された湯もみ=28日午前11時5分、那須町湯本、森田大地撮影
この日は鐘の音とともにかすり着姿で湯もみ板を持った同会員らが浴場に入場。入浴客が見守る中、「那須はよいとこ後ろに茶臼」と町の情景をうたう湯もみ唄を披露しながらリズムよく湯をかき混ぜた。仙台市泉区、無職菅原健悦(すがわらけんえつ)さん(71)は「初めて生で見られた」と笑顔だった。

鹿の湯で披露された湯もみ=28日午前11時5分、那須町湯本、森田大地撮影(超広角レンズ使用)
湯もみはかつて地元の旅館の女将(おかみ)らが行っていたが、後継者不足で一時途絶えた。2013年に地元観光ボランティア有志で組織する同会が復活させ、斎藤留美子(さいとうるみこ)会長(76)は「歴史ある湯もみ文化を継承していきたい」と思いを込める。湯もみは11月までの毎月、最終水曜に行われる予定。