事件事故の担当記者として、ほぼ毎日、関係者宅を帰宅時などに訪ねる。日中は聞きにくい情報を取材するためだ。「夜討ち朝駆け」と呼ばれる。

 この時季の夜討ちは心底つらい。相手が帰宅するまで、寒さと闘いながら延々待ち続ける。雪と寒波に襲われた先週は靴底が凍った。

 最近さらに肌で感じるのは、地域住民の視線の厳しさだ。10年前に比べ、不審がられたり、事情を尋ねられたりすることが多くなった。取材相手にも住民にも申し訳なく、できるだけ目立たないよう待っている。

 2017年の本県の刑法犯認知件数は1万2767件。14年連続減で、ピークだった03年の4万469件から7割も減った。県警幹部によると、05年の今市事件による防犯意識の高まりも減少要因の一つという。

 さまざまな角度から取材し、真実に迫るためにも夜討ち朝駆けは必要な手段の一つ。ただ、社会正義の実現を目指す取材で、防犯意識の高まりを実感するのは複雑でもある。