【日光】湯元の日光山輪王寺別院・温泉寺でこのほど、夏山登山の安全や地域住民の息災を祈願する法要「薬師講」が執り行われた。
温泉寺は日光開山の祖・勝道(しょうどう)上人が788年に建立。境内に温泉がある寺として知られる。毎年、本尊の薬師如来の縁日である8月8日に法要を行っている。
地元関係者などが参列して本堂で営まれた法要では、輪王寺の僧侶が薬師経を唱えた。続いて湯ノ湖畔に移動して伝統儀式「採燈大護摩供(さいとうだいごまく)」が行われた。
山伏姿の僧侶がヒノキの葉を重ねた護摩壇に火を付けると白煙が勢い良く天高く上がり、周辺は霞がかかったように。見守った約150人の観光客らの中には、手を合わせて祈りをささげる人の姿も見られた。
人見良典(ひとみりょうてん)執行(66)は「本番を迎えた湯元の夏が、安全に過ぎてくれれば」と話していた。