4位に終わった東京五輪の雪辱を期す楢崎智=2月のボルダー・ジャパンカップより

 2021年東京五輪は初代金メダル候補の最右翼。日本のエースは「競技を盛り上げたい」と繰り返し、重圧と使命感を背負って戦っていた。「いろいろ背負った上で勝ちたかった。五輪ってそういう舞台だと思っていたから」。

 だがその大きさは想像以上だった。普段と違う精神状態で実力を出し切れず、「守りに入ってしまった」と4位。本来の輝きを放てなかった。