後半ロスタイムの失点で競り負け、硬い表情で引き揚げる栃木SCの選手=9月16日の千葉戦、県グリーンスタジアム

 9月16日の第35節千葉戦。後半ロスタイム、栃木SCのゴールネットが無情にも揺れた。月明かりに照らされたスタジアムに大きなため息が漏れ広がった。

 今季勝ち点が伸び悩んだ理由の一つは終盤の失点だ。後半31分以降では16回を数え、昨季より3回増えている。後半ロスタイムに限れば4失点。第8節山口戦、第19節藤枝戦、第30節徳島戦は引き分けに持ち込まれ、土壇場で勝ち点2を失った。千葉戦も引き分けていれば、勝ち点7を取りこぼした計算になる。

 今季の総失点数47はリーグ7位とまずまず。ただ前半終了時で14点とリーグ最少の堅守を見せながら、最終盤にもろさがあった。「終盤の失点で逃した勝ち点が取れれば、昨季は6位以内だった」。J1昇格プレーオフ圏内を目指すため、時崎悠(ときさきゆう)監督が今季の最優先課題に挙げたポイントだった。