【矢板】国指定天然記念物の小型淡水魚ミヤコタナゴの生息状況調査が21日、山田の生息池で行われ、昨年度から13%減の547匹が確認された。昨年度の稚魚が順調に育ち成体は9倍に増えた一方、稚魚が8分の1に激減し、全体としては減少となった。
調査は市教委、山田ミヤコタナゴ保存会が主催。生き物の変化を把握するため、2001年度から年1回実施している。
会員を中心に29人が参加し、水を抜いた池で網などを使って生き物をすくい上げ、種類ごとに分類した。確認されたミヤコタナゴの成体は473匹(雄248匹、雌225匹)で、昨年度の52匹から大幅に増えた。昨年度586匹だった稚魚は74匹に減った。
昨年度は県の協力を受け、ミヤコタナゴが卵を産み付けるドブガイを2倍の40匹入れたことなどで稚魚が大幅に増えた。現在も40匹を維持。昨年度1匹だった野生のドブガイは今回5匹確認された。
稚魚が少なかったことについて、県水産試験場は「成体より稚魚が多いのが健全な状態。ただ繁殖できない状況ではない」とし、原因を分析する予定。
市教委生涯学習課は「ミヤコタナゴの増減に関係するドブガイをいかに増やしていくか、県の指導を受けながら進めていきたい」とした。