【栃木】長野県岡谷市で6月に開催された「世界和太鼓打ち比べコンテスト」のマスターズの部で、市内の太鼓グループ「岩舟武蔵太鼓」の打頭(うちがしら)を務める会社員上光(かみひかる)さん(48)=岩舟町畳岡=と、弟で師範代の会社員龍(りゅう)さん(47)=佐野市鐙塚(あぶつか)町=がそれぞれ優勝、準優勝に輝いた。全国大会でも上位常連の兄弟だが、ワンツーフィニッシュは初めて。光さんの長男で岩舟中3年の大蔵(たいぞう)さん(14)もジュニアの部で3位に入り、親子兄弟で上位を席巻した。
同コンテストは2000年に始まり、国内外トップの打ち手が集う。コロナ禍で中止が続いていたが、今年は6月24、25の両日、4年ぶりに開かれた。
6部門に65人、9団体がエントリー。45歳以上の1人打ちマスターズの部は、プロを含む男女10人が約2メートルの大太鼓を使って心技体を競った。高校生までの1人打ちジュニアの部には8人が出場した。
過去に一般の部で優勝経験があり、マスターズの部初出場となった光さんは、オリジナル曲「疾風迅雷(しっぷうじんらい)」を力強く演奏。全国各地の大太鼓コンテストで最多を更新する12回目の頂点に立った。「子どもにおやじの背中を見せたかった。生徒にも言葉で伝わらない間合いや空気感、世界観を伝えられた」と喜んだ。
龍さんは得意のバチ回しを徹底的に練習して大会に臨み、オリジナル曲「雷様(らいさま)」で「迫る雷の音や雲の流れを表現できた」と振り返った。体格的に有利な高校生に交ざって健闘した大蔵さんは「賞を取れてうれしかった。次は優勝を目指したい」と先を見据えた。
21日は3人が市役所に大川秀子(おおかわひでこ)市長や青木千津子(あおきちづこ)教育長を表敬訪問し、快挙を報告した。