経産大臣賞を受賞した作品と伊東さん

 日本写真館協会が主催するコンテスト「第16回写真館賞」の学校スナップの部で、宇都宮市下岡本町の伊東写真館代表伊東一平(いとういっぺい)さん(55)の作品「絵を描く男子」がこのほど、最高賞の経済産業大臣賞に輝いた。2019年の同部門で3位にとどまっていただけに「いつしか日本一になりたかった」と喜んでいる。

 同協会は写真撮影事業者らの組織で、コンテストは会員や従業員を対象に開いている。今回は家族写真やポートレート、ロケーションなど7部門に、194人計1605枚の応募があった。

 学校スナップの部は、人物が写っている学校行事や学内風景を撮影した写真が対象。伊東さんの作品は、教室で窓から入る自然光と天井の照明だけで撮影された一こま。あたかもスタジオで撮影したかのような柔らかなライティングで、絵を描く少年の喜びや楽しさが自然な表情で捉えられている。

 伊東さんは大学時代、写真の専門学校にも通って技術を学び、大学卒業後に父の写真館を継いだ。全国写真展覧会準特選、富士フイルム営業写真コンテスト銀賞など多数のコンテストで入賞している。最高賞は初めてで「今回の作品は、撮ったというより、夢中で絵を描いている少年の表情に撮らされたという感じ。これからはプロの写真家として、自分にしか撮れないものを追求し、ほかの大きなコンテストでも頂点を目指したい」と意欲的だ。