2025年度の自動運転バス本格運行を目指し、県が21年度から7市町で行ってきた実証実験で、乗車人数は延べ7779人に上ったことが県の20日までのまとめで分かった。運行日数は計75日間で、走行距離は1717キロ。実験の最終年度となる23年度は日光、下野、芳賀の3市町で実施し、効果などを検証する。
実証実験は「ABCプロジェクト」と称し、過疎化が進む中山間地をはじめ、観光地や通学での足の確保など地域の課題に合わせて行ってきた。21年6月に茂木町からスタートし、小山市、壬生町、那須塩原市、那須町、宇都宮市、足利市の順に実施した。
昨年10月開催の「いちご一会とちぎ国体」に合わせ宇都宮市で実施した実験では13日間で、最多の延べ3419人が乗車。乗車後のアンケートでは、自動運転に対して「安心」「やや安心」と答えた人は9割超だった。
県は実験結果などを踏まえ、サービスの導入に向けては「地域のバス事業者や地元自治体が主体的に検討し、実施していくことが必要」などと課題を上げている。
本年度実施する日光市では、国立公園内の2次交通の充実といった課題を受け、赤沼自然情報センター~千手ケ浜間の国道120号などで今秋行う予定。一般車両の通行が規制されている区間で実証を行い、導入の可能性を検討する。
下野市は今冬を予定し、JR自治医大駅~自治医大付属病院間で、一般車両が行き交う場所での課題を整理する。
8月に次世代型路面電車(LRT)が運行する芳賀町では、工業団地内で実施。時期は未定。LRTとバスなどの2次交通との連携、ビジネスモデルの検証を行う。