豆大福

カウンターに立つ店主の落合さん

豆大福 カウンターに立つ店主の落合さん

 少し塩味のあるやわらかな餅の中に、小豆の風味が濃厚な粒あんがぎっしり詰まっている。上品な甘さで後味はすっきり。「もう1個」と手を伸ばしたくなる。

 半世紀にわたり地元で愛される豆大福(110円)。使う食材は北海道産の小豆と赤エンドウ豆、国産のもち米「こがねもち」。

 2代目店主の落合智光(おちあいともみつ)さん(57)は「国産の良質な材料を厳選している。普通に作るだけで、素材の良さが出る」と先代からの味を守る秘訣(ひけつ)を明かす。

 餅には職人のこだわりを見せる。毎日同じ食感にするために、気温や湿度に合わせて餅の伸びなど仕上がりを調整する。天気予報の確認は欠かさない。

 創業は1966年。父実(みのる)さん(83)が新富町に本店を構えた。95年に広い調理場を求めて、本店から約2キロ北の住宅街に若松原店をオープンした。両店とも家族で切り盛りし、智光さんが腕を振るった和菓子が並ぶ。

 どら焼き(140円)はしっとりした皮が好評。智光さんが皮の食感を追求した自信作だ。夏場は水ようかん(130円)も作る。

 落合さんは「素朴な味わいは飽きない。その味を守っていきたい」と話した。

 ▼メモ 宇都宮市若松原2の16の9。午前9時半~午後6時。木曜定休。(問)028・653・7070。