栃木県労働委員会は30日、足利市堀込町の合成樹脂加工販売業「ヨコヅカ」に不当労働行為があったとして労働組合わたらせユニオン(佐野市)が行った救済申し立てついて、一部救済する命令書を交付した。

 組合は2021年11月、同社に勤めていた組合員の(1)解雇問題(2)社会保険などの未加入(3)時間外労働賃金などの未払い-を巡る団体交渉に応じないのは不当労働行為に当たるとして、救済を申し立てていた。

 命令書では(2)(3)に関して、同社は組合の求めに応じて資料を示すなど一定の対応を取ったが「根拠を示さない反論を繰り返し妥結を妨げるなど、不誠実な対応だった」と指摘。「自らの主張に固執せず、誠実に団体交渉に応じなければならない」と命じた。

 申し立て前に団体交渉が行われなかったことも「不当労働行為に当たる」と認定した。一方で解雇問題を巡る同社の対応は「不誠実だったとは言えない」と判断した。

 県労委の命令は19年12月以来、約3年ぶり。