宇都宮地裁の裁判員裁判で、裁判の迅速化のため、初公判前に裁判官や検察官、弁護士が非公開で争点や証拠を絞り込む「公判前整理手続き」の期間が長期化している。裁判員裁判が導入された2009年の平均期間は4・5カ月だったが、21年は9・3カ月と2倍以上となった。メールや防犯カメラ映像といった電子記録の証拠の増加で解析に時間を要することや、新型コロナウイルス感染拡大に伴う日程調整の難航も影響した。長期化で関係者の協力を得にくくなるなど、裁判への影響を危惧する声もある。
地裁によると、裁判員裁判の同手続きの平均期間は09年から長期化の傾向にある。導入から10年以上経過し、20年は9・5カ月、21年は9・3カ月(速報値)と9カ月を超えた。21年の内訳では、起訴内容を認めている自白事件は平均7・1カ月だったが、否認事件は平均14・5カ月だった。
長期化は全国的な傾向で、裁判員裁判の同手続きの平均期間は09年が2・8カ月だったが、21年は10・5カ月で最長となった。