アーチェリー 男子リカーブ30メートルダブルラウンドで1射に集中する大塚=那須烏山市緑地運動公園多目的競技場

アーチェリー男子リカーブ30メートルダブルラウンド 大塚忠胤

アーチェリー 男子リカーブ30メートルダブルラウンドで1射に集中する大塚=那須烏山市緑地運動公園多目的競技場 アーチェリー男子リカーブ30メートルダブルラウンド 大塚忠胤

 第22回全国障害者スポーツ大会「いちご一会とちぎ大会」(障スポ)第2日は30日、鹿沼市のTKCいちごアリーナで各競技が行われ、栃木県勢は全競技を終えた卓球で8人が金メダルに輝いた。合計では6競技32個の金メダルを獲得。29日分と合わせ55個となった。アーチェリーは肢体不自由者リカーブ30メートルダブルラウンドで大塚忠胤(おおつかただつぐ)(足利)が648点で制した。

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 アーチェリー男子リカーブ30メートルダブルラウンドで、国内トップ選手の大塚忠胤(おおつかただつぐ)(足利)が金メダルの貫禄を見せた。

 720点満点に対し680点という高い目標を掲げ、648点をマーク。午前、午後とも安定したスコアを積み重ねたものの、「目標に届かず、悔しさがある」と謙虚に語った。

 昨年、東京パラリンピック出場を懸けたチェコでの世界最終予選の出場を、新型コロナウイルス禍のため断念した。失意の中、「次の目標は」と所属先が前向きな姿勢を見せてくれたことで、今回の障スポを新たな目標と定め、練習に黙々と打ち込んできた。

 18歳の時のバイク事故で自由が利かなくなった右手の代わりに、「マウスタブ」という道具を使い、矢を犬歯で引く。中でも今回は、障スポの歴史でも「他にいないのでは」という、リカーブの弓でマウスタブを使うスタイルで出場。確かな結果を残し、「同じスタイルで挑戦する後進たちの目標となるスコアを出せた」と胸を張る。

 自身4度目の障スポ出場で金メダルも4個目。本県障がい者アーチェリー界のエースは地元で強さを示し、次なる目標に2024年の「パリパラリンピック出場」に据えた。