約3千平方メートルの休耕田に射場を整備し、練習に励む大塚=10月中旬、足利市名草中町

 第22回全国障害者スポーツ大会「いちご一会とちぎ大会」(障スポ)が29日開幕する。昨夏の東京パラリンピックを契機に各競技の認知度は高まりつつあるが、練習場所の確保に苦労する選手は少なくない。そんな中、アーチェリー(身体)代表の大塚忠胤(おおつかただつぐ)(54)=足利市=は理想の環境を求めて足利市内に約3千平方メートルの休耕田を借り、仲間たちと射場を整備した。自然の中で練習に励みながら、金メダルに照準を合わせる。

 10月中旬、同市名草中町ののどかな山あい。野鳥や虫の鳴き声に混じり、「バシッ」と矢が的に命中する音が響いた。練習後は、弓を草刈り機に持ち替える。「草を刈っても刈っても追いつかなくて」と笑う。

 県内で障害の有無に関わらずアーチェリーを練習できる公共のスポーツ施設は、宇都宮市と足利市の計2カ所。足利は体育館で30メートル、宇都宮は屋外で70、50、30メートル先の的を狙える。