4回、作新の斎藤綾が中越えのソロ本塁打を放つ=さいたま市のレジデンシャルスタジアム大宮

 第75回秋季関東地区高校野球大会第2日は23日、さいたま市のレジデンシャルスタジアム大宮などで1回戦残りの4試合を行い、作新学院(本県1位)は駿台甲府(山梨2位)と対戦し、10-0で五回コールド勝ちを収め8強に進出した。

 作新学院は初回、連打で好機をつくると相手の失策の間に先制。さらに相手の暴投や犠飛で着実に進塁し、わずか3安打で5点を奪った。その後も勢いは止まらず、四回には斎藤綾介(さいとうりょうすけ)が10点目となる中越えのソロ本塁打を放った。

 先発の川又楓(かわまたかえで)は4回1/3を散発3安打無失点。県大会通じて秋季大会初マウンドだった市川春之介(いちかわしゅんのすけ)も残りの2/3回を無安打で抑える好投を見せた。

 作新学院の準々決勝は25日午前10時半から、埼玉県営大宮公園野球場で専大松戸(千葉1位)と対戦する。

■攻守の充実 成長の証し

 この上ない関東大会のスタートだ。作新学院は大量得点、無失策で零封と攻守で質の違いを見せつけた。「県大会からの成長を感じた」と小針崇宏(こばりたかひろ)監督。辛勝が続いた県大会から一転しての完勝劇は、チームのこの1カ月間の成長を物語っていた。

 先頭打者高森風我(たかもりふうが)は関東でも絶好調だった。初回に内野安打で出塁するなど、得点した3回は全て高森からの攻撃で出塁率は10割。「高森の好調はすなわち、チームの好調」と指揮官がうなるほどの活躍だった。

 5番の斎藤綾介(さいとうりょうすけ)は猛攻を派手に締めくくった。快音とともにセンターへ上がった打球はバックスクリーンに直撃。「打てない時期が長かったので…」。コールド成立と自身の完全復活を告げるように、力強く10点目のホームを踏んだ。

 圧巻の攻撃力を見せながら、指揮官がまず口にしたのが「無失策だったことが良かった」。三塁手武藤匠海(むとうたくみ)が再三難しい打球をさばくなど堅守を披露。県大会決勝ではチームで5失策を記録したが、その不安を完全に払拭してみせた。

 センバツ出場が懸かった準々決勝は関東一と名高い投手陣を擁する専大松戸(千葉)とぶつかる。「関東レベルに追い付け追い越せでやってきた」と小針監督。成長したチームの現在地はどのレベルか。それを確かめる一戦になる。