毎年10月に開催される鹿沼秋まつりの見どころの一つ、「鹿沼今宮神社の屋台行事」に登場するきらびやかな彫刻屋台にちなんだ銘菓が「元祖屋台最中」(90円から)。彫刻屋台をデフォルメしたかわいらしいデザインが特徴的で、鹿沼市を代表する和菓子だ。
同市麻苧(あさう)町にある「和菓子司 松月」が製造、販売している。
同店は、3代目の葉山晃(はやまあきら)さん(53)の祖父道明(みちあき)さんが1928年に創業した。当初は素朴なまんじゅうを作っていたが、67年前に2代目の父茂(しげる)さんが当時の秋まつりをお菓子で盛り上げようと、屋台最中を考案した。
十勝産の小豆を使った小倉あんはしっかりと粒感が残り、口当たりが良い。「素材のよさが色濃く出ている」と葉山さんが話すように、上質な甘さが皮の香ばしさを一層引き立て、味わい深さを感じさせる。
新型コロナウイルス禍で今年も秋まつりは中止になったが、葉山さんは「(屋台最中は)まつりと一緒に育ってきたお菓子。見て味わって、少しでもまつりのにぎわいに思いをはせてもらえたらうれしい」と話した。
▼メモ 鹿沼市麻苧町1550。午前9時~午後6時半。木曜定休。最中のサイズは大中小があり、小はゆずあんも選べる。(問)0289・64・2558。