ホッケー成年男子準決勝 先制点を決め喜ぶ本県のFW大嶋=日光市の今市青少年スポーツセンター人工芝競技場

 時折小雨が降ったこの日の空模様と同じように、準決勝で勝利を収めた選手たちの表情はすっきりしなかった。

 昨季ホッケー日本リーグ1部を制したリーベ栃木を母体とした本県は、同2部のブルースティックス滋賀が中心の滋賀に1-0の辛勝。「とりあえず最低限の結果。理想は全然」。2大会連続の決勝進出にも、選手兼監督を務めるMF落合大将(おちあいひろまさ)(北関東綜合警備保障)は首を横に振った。

 結果にこだわるあまり「逃げのホッケー」(落合)だった初戦の反省を生かすはずが、なかなかシュートまで持ち込めない。守備的に引いた滋賀と「負けたくない」とリスクを負わない本県はかみ合わず、ボールだけが行ったり来たり。FW松本航(まつもとわたる)(同)は「もう少し楽にできる試合だった」と頭をかいた。

 スタンドが沸いた最大の見せ場は第2クオーター6分。DF永吉拳(ながよしけん)(天理大)がサークル外から打ち込んだシュート性の縦パスにFW大嶋雄飛(おおしまゆうひ)(明大職)が反応しての鮮やかな得点。「アイコンタクトがあった」という練習通りの一発が勝利に直結した。

 各種別が既に敗退し、本県お家芸の栄冠は成年男子の双肩にかかる。決勝の相手は複数の日本代表を擁する最大のライバル、岐阜。「最強の相手を倒してこそ優勝の価値がある」と大嶋。初の単独優勝へ、舞台は整った。