【茂木】河井地区に伝わる県指定無形民俗文化財の伝統の舞「河井のささら」が19日、八幡宮と長寿寺で五穀豊穣(ほうじょう)などを願って奉納された。新型コロナウイルス感染拡大による2年の休止を経て、3年ぶりの披露となった。
平安時代の故事に起源を持つみやびな舞は、「河井獅子舞保存会」が地区を挙げて代々伝えている。コロナ禍で伝承の危機に見舞われたものの、感染対策を徹底し時間短縮など一部を簡略化して開催にこぎ着けた。
役者は2歳から12歳までの10人。八幡宮境内では3匹の獅子と瓠(ふくべ)1人を中心に午前10時半から約30分、神前に奉納した。時折日も差す杉木立の境内に、笛の音と獅子がたたく太鼓、瓠の腰の鈴の音が心地よく響き、舞姿の美しい衣装がひらめいた。
獅子と瓠は7月から毎週土日に練習を重ねてきた。本来2人いる瓠を1人で務めた古田土祐希(こだとゆうき)君(10)は「練習は大変だったけど上手にできた。楽しかった」と笑顔を見せた。