ろっくバウムラスク

八木澤正則さん

ろっくバウムラスク 八木澤正則さん

 東武鬼怒川温泉駅周辺を歩くと、バウムクーヘンの甘い香りに思わず辺りを見回したくなる。

 もともと物産店だった店をバウムクーヘン専門店に衣替えしたのは、2012年7月。サラリーマンだった八木澤正則(やぎさわまさのり)さん(53)が家業を継ぎ、業態変更を決断した。

 なぜバウムクーヘンだったのか。「子どもの頃、お菓子の中で一番好きだったのがバウムクーヘンだった」からだと言う。

 看板商品の一つ「ろっくバウム」はカリッとしながらも、どこかもっちりした食感が人気で全国から注文が相次ぐ。

 「ろっくバウムラスク」は、その看板商品の「端切れがもったいない。なんとか商品化できないか」となり、開発された。「フードロスの解消に取り組みたいと、常々思っていた」と八木澤さん。端切れは試食などに活用していたが、新型コロナウイルス感染症の流行で試食品を出せなくなり、多い時で1日に600キログラムを廃棄したこともある。

 端切れを再度焼き上げることで、バターの香りが豊かになり、6月に試売したところ、好評だったため8月に本格的に販売を始めた。売り上げの一部を社会貢献のために寄付しているのも「はちや」らしい取り組みだ。

 ▼メモ ろっくバウムラスクは60グラム入り594円▽日光市鬼怒川温泉大原1396の10▽営業時間 午前9時~午後5時半▽不定休▽(問)0288・77・1453。