弓道で成年男子チームの一員として初の国体に挑む五十嵐さん=8月27日午後、ユウケイ武道館

研師として生計を立てながら弓の腕を磨く五十嵐さん。丁寧な手仕事は得意先からも好評だ=7日午前、宇都宮市内

弓道で成年男子チームの一員として初の国体に挑む五十嵐さん=8月27日午後、ユウケイ武道館 研師として生計を立てながら弓の腕を磨く五十嵐さん。丁寧な手仕事は得意先からも好評だ=7日午前、宇都宮市内

 10日から始まる「いちご一会とちぎ国体」会期前競技の弓道。本県成年男子チームに異色の経歴をたどる選手がいる。県連盟の五十嵐翔(いがらししょう)さん(31)=鹿沼市深津=だ。職業は研師(とぎし)。弓と徹底的に向き合うため、紆余(うよ)曲折を経て自営となり4年。美容師らのハサミを研いで生計を立てながら、初の国体出場権を射止めた。

 7日午前9時。宇都宮市内の美容室の駐車場に五十嵐さんの姿があった。「工房」は自家用車内。後部座席を倒した狭いスペースに体をねじ込み、手際よくハサミ5丁を研ぎ上げた。「本当は大きな車に変えたいけど、先に弓の道具を買ってしまうので」と苦笑い。生活の中心には常に弓道がある。