今年4月末までの1年間に県内で新たに就農した人は前年と比べ15・7%(56人)減の301人で、比較可能な2013年度以降で初めて減少に転じたことが29日、県の19年度調査で分かった。特に農家出身で他産業を経て就農する「Uターン就農」の減少が目立った。人手不足の深刻化が要因とみられる。県の担当者は「農業分野でも人材獲得競争の影響を避けては通れない」と受け止めている。

 新規就農者数は自営就農者と、農業法人などに正規で就業する雇用就農者を合計した数。現在の調査方法になった13年度の292人から増加傾向が続き、18年度は357人と過去最多を更新した。

 19年度は増加から一転、新規自営就農者は前年比19・4%(46人)減の191人、新規雇用就農者は8・3%(10人)減の110人だった。

 減少に転じた大きな要因に人手不足がある。新規自営就農者191人のうち「Uターン就農者」は142人で42人減少した。一度企業に就職した人や定年退職を迎えた人が実家の農業経営を継ぐケースの就農者などで、新規自営就農者のうち最も大きな割合を占める。

 県経営技術課の担当者は「人材確保のため離職防止に力を入れる企業や定年を延長する企業が増えたことで、他業種からの就農が減った」と分析する。

 一方、学卒者は9人増の21人で安定的に推移している。

 新規参入者の確保に向け、県は初期投資の負担軽減やサポート体制の強化に取り組んでいる。担当者は「高校生への情報発信などを通して、学卒者の確保にも力を入れていく」と説明している。