骨肉腫の発症メカニズム研究(イメージ)

 思春期を中心とする若い世代で膝の近くに発症するがん「骨肉腫」は、骨を作る細胞で、増殖を制御する仕組みの破綻が原因の可能性があると東京大のチームが15日、発表した。老化研究をきっかけにマウスで病態の再現に成功。骨肉腫では遺伝子異常がみられるが、詳しい発症のメカニズムは不明だった。治療への活用が期待される。

 チームが老化に関わる特定のタンパク質を調べたところ、成長期のマウスの骨にも多く存在することに気付いた。骨を作り出す骨芽細胞が増殖する際、遺伝子の複製ミスが生じる恐れがある。このタンパク質はミスが残らないよう、骨形成にブレーキをかける仕組みに関わることが分かった。

 そこでチームは仕組みの破綻とがんとの関係性に注目。マウスで骨芽細胞の増殖を人工的に活性化し、さらにブレーキをかからなくしたところ、短期間で骨肉腫になった。肺への転移もあったという。骨芽細胞の増殖は脚の骨の端でも起き、膝での骨肉腫発症につながると考えられる。

 論文は英科学誌「ネイチャーコミュニケーションズ」に掲載された。