解散から投開票日までの期間が戦後最短となった2月の衆院選で、郵便投票が間に合わなかったドイツやカナダ在住の邦人4人が10日、国が適切な制度構築を怠ったのは憲法違反だとして、国家賠償などを求めて東京地裁に提訴した。国際郵便事情に照らせば選挙権を行使できない事態が生じ得ることは明白だったのに、選挙権行使を妨げられたと主張している。

 訴状によると、4人は在外公館へ投票しに行くには飛行機などで長距離の移動を強いられるため、在外選挙制度の郵便投票を選択。うち1人は投開票日を過ぎて投票用紙が届き、3人はそれぞれ国内自治体の選挙管理委員会に返送したが、受理が間に合わなかった。

 最も早い国際郵便サービスでも、通常1~2週間程度を要すると指摘。公示日から投開票日までの12日間で投票用紙を到達させることは事実上不可能とし、1人当たり1万円と郵便代を請求している。

 2月の衆院選では、郵送による在外投票のうち、締め切りまでに投票用紙が届かなかった割合が小選挙区で27・7%と、制度利用が可能になった2009年以降で最も高かった。