路線バスや鉄道など公共交通機関が利用しづらい「交通空白」による経済損失が、全国で年間約10兆円に上るとの分析結果を、民間調査会社が9日発表した。家族の通学や通院の送迎が負担となって働く時間が限られることに伴う所得の低下や、外出控えによる消費の落ち込みなどの影響額を算出した。分析に協力した国土交通省によると、交通空白がもたらす経済損失額の試算は初めて。
調査会社は結果を金子恭之国交相に報告。金子氏は「非常に大きい損失であり、交通空白の解消は成長投資だ」と強調した。
試算は、EYストラテジー・アンド・コンサルティング(東京)が実施。
損失額の内訳では、家族の送迎負担を最大の約5兆8千億円とした。現役世代が働きづらくなることで所得を得る機会を失い、地域の労働力もなくなる影響を算出した。
外出して消費する機会が減る損失が約1兆2千億円、外国人旅行者による消費機会の損失が約2兆3千億円、高齢者の外出控えによる介護・医療負担の増大が約8千億円とした。
国交省は6月、交通空白地区は全国2740カ所に上ると発表した。
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