県や県教委をはじめとした官民で構成する県青少年育成県民会議が、約1万6千人に及ぶ県内全ての高校2年生を対象とした闇バイトに関する意識調査を実施している。

 青少年の健全育成に取り組む同会議は157団体で組織し、下野新聞社など地元メディア4社も参加している。本県高校生を取り巻く現状を精緻に把握するために、より多くの回答を集めたい。その結果を詳細に分析し、県や県教委には実効性の高い防犯教育のための政策立案や生徒指導の充実に役立ててほしい。

 上三川町内で5月中旬に発生し、実行犯として神奈川県内の高校生ら4人が逮捕された強盗殺人事件をはじめ、闇バイトや匿名・流動型犯罪グループ(匿流)に未成年が関与したとみられる事件が全国で相次いでいる。こうした中、闇バイトを巡る官民挙げた大規模な調査は例がない。

 取り組みの背景には、闇バイトをはじめとした匿流の影が高校生らの背後に迫っている衝撃と危機感がある。

 警察庁などによると、特殊詐欺や強盗などの事件に関わったとして県警が2025年に摘発した匿流メンバーは前年比2割増の138人に上り、そのうち15%の21人が少年だった。割合は全国平均の11%を上回る。今年に入っても、5月には上三川の事件とは別に、東京都内の会社事務所への強盗未遂容疑などで警視庁が栃木市の高校生らを逮捕する事態も起きている。

 調査では「知人や先輩、後輩などが不審なアルバイトに関わったと思われるような話を見聞きしたことがあるか」「闇バイトに誘われた場合、誰に相談するか」などといった認識や意識を尋ねるほか、「闇バイトに関わらないためにどんな対策が必要か」「相談窓口を知っているか」など対策や啓発に役立てるための質問もしている。

 回答は任意。無記名で高校名も記入しない。個人情報が分かることはなく、高校生にはぜひ安心して回答してもらいたい。

 間もなく夏休みが始まる。青春まっただ中の高校生には、その後の人生に彩りを加えられるような有意義な時間を過ごしてほしい。まかり間違っても犯罪に加担するようなことがあってはならない。「闇」を高校生から遠ざけるのは大人の責任だ。今回の調査を契機に官民挙げてその責任を果たしたい。