石川県輪島市が誇る漆器「輪島塗」は、100以上の工程を専門の職人が分担して作る。ほぼ全員が輪島に住み、2024年元日の能登半島地震では、生産が一時完全に停止した。2年半が経過した今も、復旧は道半ばだ。輪島以外の地域での制作も難しいため、専門家は「構造的に災害に弱く、産地全体の事業継続計画(BCP)策定が求められる」と話す。
「今も生産能力は地震前の6~7割ほどしか戻っていない」。輪島漆器商工業協同組合の担当者は、職人の一部が廃業したり、輪島に戻っていなかったりすると説明する。制作はベースの木地づくり、漆塗り、沈金や蒔絵などの加飾といった工程に分かれ、販売を手がける塗師屋がそれぞれを職人に委託する。一部が復旧しないだけで全体に影響する。
一般的な製造業では、災害時の早期再開のため、他の地域の施設で製造したり、同業者と事前に協定を結んだりする。ところが、輪島塗は市内での制作が伝統的工芸品としての指定要件だ。外で作ると輪島塗を名乗れないという事情もあり、こうした方法が使えない。
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