「黒猫と魔女の教室」より(☆(○の中に小文字のC)金田陽介・講談社/「黒猫と魔女の教室」製作委員会)

 本渡楓(左)とファイルーズあい=東京都内

 本渡楓

 ファイルーズあい

 「黒猫と魔女の教室」より(☆(○の中に小文字のC)金田陽介・講談社/「黒猫と魔女の教室」製作委員会)

 「黒猫と魔女の教室」メインビジュアル(☆(○の中に小文字のC)金田陽介・講談社/「黒猫と魔女の教室」製作委員会)

「黒猫と魔女の教室」より(☆(○の中に小文字のC)金田陽介・講談社/「黒猫と魔女の教室」製作委員会)  本渡楓(左)とファイルーズあい=東京都内  本渡楓  ファイルーズあい  「黒猫と魔女の教室」より(☆(○の中に小文字のC)金田陽介・講談社/「黒猫と魔女の教室」製作委員会)  「黒猫と魔女の教室」メインビジュアル(☆(○の中に小文字のC)金田陽介・講談社/「黒猫と魔女の教室」製作委員会)

 魔法学校を舞台にしたファンタジー『黒猫と魔女の教室』。漫画が原作のアニメで、今年4月からTBS系で放送されている。魔女見習いのスピカ役で主演する声優本渡楓と、学校の生徒レオ役のファイルーズあいが、見どころと演技に対する思いを語った。(取材・文 共同通信=高坂真喜子)

【黒猫と魔女の教室】

 魔法が使えないスピカは、憧れの魔法学校合格のために師匠が必要。その彼女の前に、呪いで黒猫に変えられた魔術師クロードが現れる。スピカの力で一時的にクロードの呪いを解くことができるため、利害が一致した2人は師弟関係になる。

(1)独特なバディ

▼記者 この作品の魅力を教えてください。

●本渡 主人公スピカと、その師匠であるクロードとの関係性ですね。独特なバディが築き上げられているなと思っています。スピカがクロードのことをどう思っているのかは、ほおを赤らめた表情とか、助けてもらった過去のエピソードなどで垣間見えます。

 スピカは見た目はピンクの髪の毛で、リボンも着けていて、かわいらしい子だという印象ですが、原作を読むと、ものすごくド根性で、負けん気があります。基本的に(態度が)丁寧な子ですが、幼なじみのアリアや、気を許したクロードに対して意外と口が悪い。すごく振り幅が大きいキャラクターだというのも、魅力だと感じています。

★ファイルーズ 最近のアニメは、主人公が最初から強い能力を持っていたり、全てのものをなぎ倒すような無敵のパワーを持っていたりする作品が主流で、努力の過程があまり描かれないことが多いです。そういう作品はすごく爽快感がありますが、私はどちらかというと、努力していく姿に共感して、パワーをもらって、「私もあしたから頑張ろう」と思いながら作品を楽しみたいタイプ。努力している姿が描かれているスピカが大好きで、この作品を見た子どもたちに、スピカみたいに不器用でも、頑張ればいろんなことがちょっとずつでも上手になれるんだ、という前向きなメッセージを送れるところが私は魅力だと思いました。

▼記者 それぞれが演じているキャラクターについてどう感じていますか。

★ファイルーズ 筋肉質で、最初は「私が最強よ」という感じかと思っていましたが、意外と丁寧なしゃべり方でした。ですがパワフルさはそのままに、強烈さは想像よりも何倍もあって、すごく魅力的なキャラクターだなと思いました。自分をしっかり理解していて、自分に足りないものをどうやったら補えるか、ストイックに向き合える子なので、そういうところが大好きです。

●本渡 原作を読んでいると、こんな顔をするんだ、こんなかわいい子なのにすごい低い声も出しそうだな、なんて思うような表情が多くて。実際演じてみたら、ファンの方からスピカのいろんな表情やツッコミが面白いねって言っていただく機会も多くて、彼女のド根性だけじゃない面白さ、見ていて飽きない魅力の一つだと、オンエアを見て改めて感じました。

(2)決めつけずに演じる

▼記者 演じる上でこだわっているところとか、工夫しているところがあれば教えてください。

●本渡 この発声で声を作るぞ、と決めすぎないことです。彼女も機嫌によって私たちと同じようにちょっと低い声が出たり、高い声が出たりするかなって思っていたので、決めつけず、彼女の人間らしさ、いろんな表情をするところも含めて、自然体で演じられたらいいなと思っていました。彼女はどんな顔をしているか知りたいなと思ったら、原作の先生の漫画を見てみて、こういう表情をしていたんだって感情をくみ取りながら自分に落とし込んでいます。あとは、みんなと掛け合いをする上で自然と湧いてくる感覚を大切にしながら演じようと心がけていました。

★ファイルーズ 言葉遣いがお嬢さまなので、声も上品にしようと思ってしまいますが、彼女の言動の中でも粗野な部分は、ギャップがあり魅力の一つだと思うので、そこは失わないように演じました。

▼記者 ご自身の役と、自分はここが似ている、というところがあれば教えてください。

●本渡 スピカは魅力的で尊敬するところばかりなので、似てるところは難しいんですが、強いて言うなら、いい意味で、ちょっと頑固で、諦めが悪めなところですかね。努力家なところも。

★ファイルーズ やりたいと思ったことに対して、どんな障害があっても、人に反対されても、自分の素直な心に従って突き進む、絶対に諦めないところは似ていると思います。無謀に突っ込んでいるのではなく、きちんとその夢ややりたいことのために、固めるべき素地をきちんと固めてから取り組むところは似てると思います。

(3)学校みたいな収録現場で

▼記者 収録の雰囲気はいかがでしょうか?

●本渡 基本にぎやかです。アフレコ現場の席順が、ソファの真ん中にクロード役の島崎信長さん、そしてその左に私が座って、自然とそこから男女の空間が分かれるように。左側女性、右側男性になっていて。私から見ると左側は女子校で、右側が男子校みたいに見えています。で、例えば誰かが、仕事で海外に行ってきました、という時にお土産持ってきてくださって、「これめっちゃまずいらしいです。食べてください」みたいな時、みんなが「なんだって! 本当にまずいのか?」って食べて、「まずい!」「うーん、いけなくもない」みたいな。談笑する時もあれば、結構真剣に相談事をしている時もあったり。思い思いの時間を過ごせて、自由で、でもチーム感や気遣いもあって、本当にすてきなチームで収録ができたと思います。

★ファイルーズ にぎやかな空間を島崎さんが先生のように見守ってくださっています。若手のキャストが多いこともあって、最初はどうやってコミュニケーションを取ろうかな、と探っていたと思いますが、島崎さんがみんなに話を振ってくれて、本渡さんも一緒にその人の良さを引き出すような聞き方をしていて、良いムード作りに欠かせなかったと思います。お2人の力のすごさを改めて感じました。

▼記者 この作品で演技をされて、力になったことはありますか。

●本渡 島崎信長さんの空気感を作る、あのセンス。無理して作るぞ、とか、「みんなを会話に混ぜるぞ」、という感じではなくて、信長さん本人がしゃべりたいからしゃべるとか、聞きたいから人に聞くという感じ。いろんな人を交えて、せっかくだから学校みたいにみんなで分け隔てなく話せるような空間を作ろうと思ってくださっているのは感じています。私にはなかなかないものを信長さんがそうやって持っていらっしゃって、こういう座長のあり方っていうのもあるんだなというのを隣でずっと見ていました。信長さんがアフレコ終わりに、行ける人はタイミングが合えば食事に行きましょうって言って声をかけることも多かったです。すごく学びになりましたね。

(4)エネルギーがもらえる

★ファイルーズ 声優としての楽しさを感じたのは、レオはいろんな動物に変身する能力があるので、ゴリラとしてのセリフを言ったり、鳥類とかいろんな動物になってそれに合わせた声色でしゃべるのが、声優でなければできないことなので、本当に勉強にもなりましたし、新たな挑戦ができてうれしかったです。

 私は楓ちゃんのスピカのお芝居がすごく好きで、ツッコミの声になっても、コミカルなのに汚くならない。あんばいが素晴らしくて、自分だったらどうやるかなっていうのを考えながら台本を読みますが、いつもその想像を何倍も超えてきて、スピカってこんなに面白くて、すごくできるキャラなんだという、技量の高さとか、引き出しの多さっていうのをすごく学ばせてもらいました。

▼記者 視聴者へのメッセージをお願いします。

●本渡 生徒は、それぞれさまざまな葛藤や悩みを抱えています。ここからもっとすごく楽しくカオスな展開があり、熱い少年(漫画の)バトルのような展開が待っています。実際にアフレコも本当にあの作品の教室のような感覚で、それぞれのキャストが自由気ままにのんびりしたり、わいわいしたり、お菓子を食べたり相談し合ったり、すごくすてきな熱い現場になっています。これからもオンエアを見ていただいて、漫画の原作も読んでくださるとうれしいです。

★ファイルーズ この作品を見ていると、スピカが失敗しても泥臭くはい上がっていって、何度でも諦めずに立ち向かう姿から、すごくエネルギーをもらえます。私もつまずいても、スピカだったらこんなところで止まったりしないって思うと、すごくモチベーションにもつながりますし、個人的にすごく魔法といったものが大好きなので、毎回アフレコのためにワクワクしています。魅力的なキャラクターたちがこれからも一人ずつフォーカスされて、深掘りされていきますので、ぜひそこも注目していただけたらと思います。

【ほんど・かえで】

『夜桜さんちの大作戦』夜桜六美役などを務める。3月6日生まれ、愛知県出身。

【ふぁいるーず・あい】

『チェンソーマン』パワー役などを務める。7月6日生まれ、東京都出身。