生物の遺伝子を高い精度で書き換えられる「塩基編集」技術を人の受精卵(胚)に使い、発生の初期に働く遺伝子の機能を調べる研究を初めて実施したと、英ケンブリッジ大などのチームが25日付で英科学誌ネイチャーに発表した。
塩基編集が不妊や不育症の原因を探るのに有用である可能性を示す成果。一方、受精卵の段階で病気の原因遺伝子を修正し、生まれる子の病気を予防するような使い方は時期尚早で「安全性などに関する相当の基礎研究が必要だ」と指摘した。
チームは、初期の胚で働く遺伝子「NANOG」を改変し、働きを抑制した。すると、さまざまな組織のもととなる細胞ができず、この遺伝子が胎児の体の形成に不可欠であることが分かった。
遺伝子の狙った箇所を改変できる技術は「ゲノム編集」と呼ばれる。ただDNAを切り貼りする大がかりな変化を伴うもので、特に胚では異常が生じやすいとしている。
これに対し塩基編集は、遺伝情報の中の1文字を書き換えるような限定的な変化を起こす。今回の実験でも改変箇所の誤りは少なかった。
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