県は新たに「自然に健康になれるとちぎ食の環プロジェクト」を始めた。産学官の連携で、県民が意識しなくても健康的な食生活を送れる環境づくりを目指す。確かな成果につなげるため、オールとちぎで取り組みを進めたい。
健康な食事や食品を誰もが自然に選択できる持続可能な食環境づくりに向け、プロジェクトで県は趣旨に賛同する事業者の登録制度を創設する。飲食業や食品製造業、小売店といった食に関わる事業所をはじめ、市町や教育機関、報道機関などにも登録を呼びかけ、一体的な活動を展開する考えだ。
プロジェクトを浸透させるには、まずは可能な限り多くの登録が欠かせないだろう。県は2032年度までに、全25市町、80事業所を目標に掲げている。制度の趣旨や内容を丁寧に周知して理解を広げ、プロジェクトを軌道に乗せてほしい。
自然に健康になれる食環境づくりは、健康寿命の延伸などを基本目標として打ち出す県健康増進計画3期計画や、26年3月策定の第5期県食育推進計画に新たに盛り込まれた。背景には、個人へのアプローチだけで生活習慣や食生活の改善を推し進めるのは困難な実情がある。
第5期県食育推進計画を見ると、食塩摂取量の1日の目標量(男性7・5グラム未満、女性6・5グラム未満)を超えている県民の割合は男女ともに約8割。野菜摂取量の1日の目標値(350グラム)を摂取している県民の割合は20~30歳代の男性が約25%で、女性は約18%にとどまる。また朝食を欠食する県民の割合は2割程度で、男性は20~40歳代で女性は20~30歳代で高い。
食と健康に関する取り組みには、働き盛り世代への支援が不可欠と言える。同計画には、横断的に推進する取り組みとして「大人の食育」も新たに加わった。プロジェクトは特に、栄養や食生活への関心が低い「大人」に対しての効果が求められる。
宇都宮市で6日に開催された食育推進全国大会で、プロジェクトのキックオフが宣言された。大会には約1万6千人が訪れ、ステージイベントやワークショップを通して食育への理解を深めた。この輪を一層広げるには地域や家庭、職場で食育に向き合う機会が重要になる。プロジェクトとともに、従来通りの啓発活動も粘り強く進めるべきだ。
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