一礼して釧路地裁に入る桂田精一被告=17日午前9時28分

 北海道・知床半島沖で2022年、観光船「KAZU 1」が沈没し乗客乗員計26人全員が死亡、行方不明となった事故で、業務上過失致死罪に問われた運航会社社長桂田精一被告に、釧路地裁は17日、求刑通り、法定刑の上限である禁錮5年の実刑判決を言い渡した。被告は事故時に乗船していなかったが、判決は、悪天候の予報が出ており乗客が死亡する恐れがあったことを「容易に予見できた」とした。被告側は即日控訴した。

 水越壮夫裁判長は判決理由で、事故当時の風の強さと波の高さは運航基準を明らかに超えると予想でき、桂田被告も認識できたと指摘。出航を中止せず、漫然と航行させた過失により船を沈没させたとした。悪天候の予報を踏まえ、船長が通常よりも短いコースで帰ってくると思っていた、とする被告の証言については「不自然で到底信用できない」とした。

 桂田被告が運航管理者にもかかわらず、経験の浅い船長に判断を任せ、事務所を離れることが常態化していたと認定。法廷で謝罪や反省の弁を述べたことについては「表面的との評価も免れない」とした。