足利市とJR東日本高崎支社が先月、まちづくりや観光誘客などに関する10年間の連携協定を締結した。2016年に締結した連携協定の2期目となる。JR東日本と連携協定を結ぶ県内自治体は大宮支社管内を含めても同市のみで、地域振興や観光誘客など関係者の期待は大きい。

 市内の観光産業は、工夫次第で誘客増を図れる余地がある。連携継続を飛躍の契機としたい。

 1期目の連携協定では県内JR線で35年ぶりの新駅となった両毛線「あしかがフラワーパーク駅」の開業や、両者が連携してイベントを開催し中心市街地への誘客促進策などに取り組んできた。とりわけ新駅開業は同パークへの誘客促進のみならず、繁忙期の自動車渋滞の緩和など大きな効果をもたらした。これらの実績が協定更新の後押しになったと言える。

 樹齢160年の大藤や冬季のイルミネーションイベントなどで知られる同パークは観光スポットとなっているが、周辺の栗田美術館や、市中心部の史跡足利学校、国宝鑁阿(ばんな)寺などへの誘客はさらに伸ばせる可能性を秘めている。

 県のまとめによると、2025年の市の観光客入り込み数は440万2214人で市町別で県内7位。単純比較はできないが、同じ両毛線沿線の佐野市の748万1428人、栃木市の559万7451人と比べ水を開けられている。現状打破の足掛かりとすべきだ。

 外国人観光客も、さらなる誘客が図れるのではないか。オーバーツーリズムが指摘されている東京や京都などに比べ、本県はまだまだ受け入れが可能だ。JRだけでなく、県や県内他市町とも連携した誘客策の展開が必要だろう。

 2期目の連携協定で新たに取り入れられたのが、「公共交通との連携」だ。両者は今後、両毛線と市路線バスとのアクセス向上や、駅の近くの駐車場に車を止め鉄道を利用して移動する「パーク・アンド・トレインライド」の推進、レンタサイクルの充実などに取り組む考えを掲げている。これらの施策は交通弱者に優しいまちづくりにもつながるはずだ。

 観光面では物価高に伴う旅行控え、まちづくりでは人口減に高齢化と取り巻く環境は厳しい。今後の10年間で、これらをどのように好転させていけるか注目したい。