劇作家ケラリーノ・サンドロヴィッチ(ケラ)が2008年に発表した自伝的作品を新演出で上演する舞台「シャープさんフラットさん」が、6、7月に3都府県を巡る。演出のマギーは「長年、ケラさんと一緒に仕事をしてきた自分だからこそできるものを目指して、リスペクトを込めて手を加えたい」と話す。
ケラの過去作品を多彩な演出家の手で再上演する企画「KERA CROSS」の第7弾。バブル崩壊前夜のサナトリウムで、世の中の価値観から「半音ずれてしまった」人々が不穏な会話劇を繰り広げる。ケラ自身が投影された主人公の劇作家を柄本時生が演じる。
初演時は出演者も台本も異なる2パターンが同時上演され、うち一方の出演者にマギーが名を連ねていた。「当時は『同時上演』の企画性に目が行ってしまったので、改めて作品そのものと向き合いたい」との思いから演出を希望したという。
2種類の台本を一つにまとめ、演出の構想を練る作業の中で見えてきたのは「風変わりな人々の話」にとどまらない戯曲の普遍性だ。一見「普通」に暮らしている人も「実は世間とずれていないか不安だったり、もっと周りとうまくやりたいと悩んでいたり。誰の心にもある感情を描いているんだと気付きました」。
目標は初演以上に登場人物それぞれの個性を際立たせ、魅力的な群像劇として描くこと。「世の中にはこういう風にしか生きられない人たちがいるということを、肯定も否定もせずに見せたい」
舞台「シャープさんフラットさん」の公演予定は次の通り。6月19日~7月5日東京・紀伊国屋サザンシアターTAKASHIMAYA、11、12日愛知・Niterra日本特殊陶業市民会館ビレッジホール、18、19日大阪・サンケイホールブリーゼ
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