市街地に連日出没したクマが捕獲され、宇都宮市では11日、通常の生活に戻す動きが本格化した。休校が続いていた市立小中学校全94校は授業を再開し、福祉施設では自動ドアを通常設定に戻すなど警戒態勢を緩めた。一方、「宇都宮にクマ」のニュースが連日報道され、観光関係者はイメージの悪化や県外からの客足が遠のくことを懸念する。
小中学校は、8~10の3日間休校となっていた。クマが出たオリオン通りから100メートルほど離れた中央小では11日朝、児童たちが保護者の付き添いや登校班で次々に登校した。
正門近くで見守った教諭から「久しぶりの学校はどう?」と声を掛けられ「ちょー楽しい」と笑顔で答える児童の姿も。2年の男児(7)は「クマが怖かった。学校に来られてうれしい」と声を弾ませた。
保護者の女性(32)は「負傷者がいなくて良かったが、また出没する可能性がゼロではないのでまだ少し不安」と表情を曇らせた。
小規模保育園やクリニックなどを併設する同市砥上町の特別養護老人ホーム「美渉(びしょう)」では近隣で目撃があった6日から、自動ドアを施錠するなどしてきた。
運営する社会福祉法人の横島瑞恵(よこしまほずえ)統括施設長は「出没地域ではないと考えていただけに脅威が現実味を帯びた。危機管理策の必要性を改めて認識した」と語った。
一方、宇都宮餃子(ぎょーざ)会の鈴木章弘(すずきあきひろ)事務局長(53)は「影響は大きい」とこぼす。
ニュースが駆け巡っている間、観光客や出張者らでにぎわう店舗で活気が薄れ、来市予定を変更したという話も聞いた。「回復の兆しはあるが、週末までに完全に戻るとは思えない」と尾を引くことを懸念する。
宇都宮動物園では、8~12日の団体予約13件のうち4~5件がキャンセルに。荒井賢治(あらいけんじ)園長(62)は「この時期は団体頼みなので厳しい」とため息をつく。
園がクマの捕獲に協力したことが報道された影響も大きい。「よくやってくれた」というねぎらいだけでなく「保護して」「殺さないで」といった意見が電話とメールで計30件以上届いた。荒井園長は、野生のクマの特性を指摘し「イヌやネコとは違うことを理解してほしい」と訴えた。
ポストする





