VISIONが客と交わした契約書=2020年8月

 USBメモリーの販売預託商法で、消費者庁から2021年に特定商取引法違反で業務停止命令を受けた販売会社、VISION(V社、東京)に投資したのに、約束された賃料が支払われていないとして、5府県の32人が約1億970万円の返還を求め提訴したことが分かった。第1回口頭弁論が11日、長崎地裁で開かれ、V社側は請求棄却を求めた。

 V社を巡っては、実質的幹部とみられる男が詐欺罪で起訴され、広島地裁で公判中。投資で被害を受けたとする損害賠償請求訴訟も起きており、昨年から今年にかけ、熊本、長崎両地裁でV社や幹部らに賠償を命じる判決が出ていた。

 訴状によると、電話やゲームなどのアプリが読み込まれたカード型USBメモリーを購入し、V社に貸せば購入額を上回る賃料が得られるなどと勧誘され、売買や賃貸の契約を締結。賃料が支払われないため、V社に契約解除の意思表示をしたとしている。

 原告代理人の井田雅貴弁護士は閉廷後の取材に「極めて実態に乏しい事業で悪質だ」と話した。