自動車などものづくり現場に不可欠なレアメタル(希少金属)のタングステンが調達難に陥っている。最大の生産国の中国が外交関係悪化を背景に輸出規制を強化し、2~4月の関連品目の対日輸出はゼロになった。国内企業は他国からの代替調達を急ぐが、関連製品の価格は3倍以上に高騰し、生産コストの上昇につながりそうだ。輸入依存度を下げるためリサイクルを強化する動きも活発化してきた。
「中国からの調達が完全にストップした」。住友電気工業の井上治社長は5月の記者会見で危機感をあらわにした。タングステンは高い硬度が特徴で、金属を削るドリルなどに使われる。中国税関総署によると、2~4月の炭化タングステンとタングステン粉末の日本向け輸出はゼロだった。
住友電工は自動車や航空機の加工に使う工具を手がけるが、原料の約3割を中国に依存してきた。米国からの代替調達を進めるものの、コスト増を踏まえて価格を最大で6割引き上げた。
三菱マテリアルはタングステンを使った超硬素材の価格を6月受注分から3倍以上に改定した。
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