―AIを活用する際に会計事務所が留意すべきこととは?―
税理士、公認会計士が組織するTKC全国会(会長:税理士 坂本孝司/事務局:東京都新宿区/会員数:11,600名)は、TKC会員事務所を対象としてAIサービス利用に関する「基本方針」と「顧問契約への絶対的記載事項」を定めましたので、お知らせします。
近年、生成AIサービスやAI機能を搭載した業務システムなど、AI技術を活用したサービス(以下、AIサービス)は急速に普及し、誰もが手軽に高度な情報処理や創作活動を行える環境になってきました。TKCシステム(財務会計システムなど)においても、AIサービスを活用した様々な機能の開発が進められており、会計事務所でのAI活用が急速に拡大すると見込まれています。
その一方で、AIサービスの利用にあたっては、「税理士法」および「個人情報保護法」の定めに準拠する必要があります。
これを踏まえてTKC全国会では、AIの活用に関する「基本方針」を新たに制定するとともに、TKC会員としての「顧問契約への絶対的記載事項」にAIサービス利用に関する項目を追加しました。
その詳細は次のとおりです。
<AIの活用に関する「基本方針」>
1.基本的な考え方AIサービスは、法令遵守を最優先事項とした上で業務効率化・品質向上のために積極的に活用する。
2.重要な運用原則
(1) 関与先の同意を得たうえで利用すること
(2) 出力結果の正確性を必ず確認し、最終判断は税理士が行うこと
(3) AIの利用状況を「見える化」すること
<TKC会員事務所における必須対応事項> ―顧問契約への絶対的記載事項―
AIサービスを業務で利用する場合には、以下の対応を行います。(1) 「同意」(個人情報保護法第27条第1項)の取得【原則】
関与先の情報をAIサービスに入力する場合は、事前に同意書を取得。
(2) 「通知」(個人情報保護法第27条第2項)の実施
同意書の取得が困難な関与先には、AIサービスの利用目的等を記載した通知書を用いて通知を行う。
(3) 個人情報保護方針の改定
「個人情報保護方針」にAIサービスの利用を追加。
(4) 顧問契約書の改定
「TKC会員としての顧問契約の絶対的記載事項」にAIサービス利用に関する項目を追加。
■AIの活用に関する「基本方針」制定の背景について
一般企業とは異なり、会計事務所がAIサービスを活用する場合、AIに投入するデータは関与先企業のデータになることが大半であると想定されます。その場合、以下の2つの法律(税理士法と個人情報保護法)を遵守する必要があります。1.税理士法
(1) 税理士法第38条および第54条
税理士およびその職員が業務上知り得た秘密情報(含、個人情報)をAIサービスに入力した場合、税理士法上の守秘義務違反となるリスクがあります。
(2) 税理士法第41条の2
税理士事務所において、職員の管理が不十分である場合、同条の守秘義務違反となる可能性があります。
2.個人情報保護法
(1) 個人情報保護法第27条
税理士が関与先企業から預かった情報をAIに入力する行為は、個人情報の「第三者提供」に該当する可能性があります。
(2) 個人情報保護法第28条
税理士が海外のAIサービスを利用する場合、個人情報の国外移転規制に抵触する可能性があります。
上記のリスクを踏まえTKC全国会では、AIの活用に関する「基本方針」を新たに定めました。
<ご参考>
●TKC全国会についてTKC全国会(https://www.tkc.jp/tkcnf/about/)は、11,600名の税理士・公認会計が組織し、租税正義の実現と関与先企業の永続的繁栄に奉仕する我が国最大級の職業会計人集団です。

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