Amazonの音声サービス「オーディブル」で、人気作家の中山七里が書き下ろした新作『火と話す男』が配信された。連続放火事件をめぐるミステリーで、朗読を担当した声優の榎木淳弥は「展開がスリリングかつスピーディーで、すごく面白い。キャラクターが魅力的に描かれていて、個性が立っている」と手応えを語った。(取材・文 共同通信=高坂真喜子)
火の性質を知り尽くし「火と話す男」として一目置かれる東京消防庁の火災原因調査員の不見神。事件の裏に、国家への復讐心が隠されていることが明らかになり、不見神は国を揺るがす未曽有の事件に挑んでいく。「火災の迫力や緊迫感の描き方にも真に迫るものがある。そのあたりの描写も楽しみにしていただけたら」
アニメ「呪術廻戦」の虎杖悠仁役など、さまざまな役で活躍する榎木。特定のキャラクターを演じるのとは違い、朗読は全ての登場人物のせりふと地の文を読む。大事なのは、キャラクターが切り替わった時と地の文を読んでいる時の違いが分かるようにすることだ。
「普段、キャラクターを演じる時のように大きく表現してしまうと、聞いている方のイメージを邪魔してしまう部分もあるかなと思ったので、少し抑え目で淡々と読みました。演技はその場に人がいるような感覚でお芝居しますが、朗読はそれよりは感情を込めないように、聴いている人が自分で想像してもらえる範囲の表現の付け方をするのが大きな違いかな」。迫力があるシーンは、ちょっと速めに読むなど、テンポも意識したという。
1人で長時間読み続けるため、収録も大変だ。「だんだんと口が回らなくなってきたり、声も出にくくなってきたりします。コンディションを整えて、維持することが難しい」と振り返る。
声優として着実にキャリアを重ね、主役も多いが、仕事に対しては「みんなで作っている」という意識が強い。「あまり一人で突っ走りすぎず、周りの意見もなるべく尊重したい。その中のベストな答えを出すというか、ちょうどいいあんばいを探っていきたい」と語る。
「今まで若い役をやることが多かったが、徐々に年齢に合った役や、もうちょっと年齢を重ねた役もやれるようになれたらいい。そういう声を出すために、どんな訓練が必要か探っていきたい」
【えのき・じゅんや】
10月19日生まれ。東京都出身。主な出演作品は、アニメ「呪術廻戦」虎杖悠仁役、「機動戦士ガンダムNT」ヨナ・バシュタ役、「東京リベンジャーズ」乾青宗役、映画「スパイダーマン」シリーズスパイダーマン役(吹替)など。
ポストする











