最高裁=東京都千代田区

 人工知能(AI)を民事訴訟で補助的に活用する可能性を検討している最高裁が、現役裁判官らを交えて行った検証結果が30日、判明した。大量の主張書面の要約には有効とする一方、証拠の拾い漏れや誤った誘導などのリスクがあると明示。最高裁は結果を踏まえ、さらに検討を進める。

 検証は1~2月に行い、東京、大阪の両地裁に所属する中堅民事裁判官6人が参加。模擬の訴訟記録を用意し「ジェミニ3プロ」など三つのAIサービスを使い、争点整理の補助にどれぐらい活用できるかを確かめた。

 想定される有効な場面として、訴訟当事者双方の主張や時系列を整理した表の「たたき台」作成、膨大な書面や証拠の要約作業を挙げた。審理の途中から参加した裁判官が、訴訟の全体像を迅速に把握する際にも活用の余地があるとした。

 一方、AI特有の課題も浮上。重要な事実や証拠の拾い漏れが確認され「AIのみに依拠すると重大な見落としにつながりかねない」と警告。AIは新たな書面が加わった時に争点を不正確に整理したケースがあり、法的な理解の不十分さも目立った。