冷房設備が整い危険な暑さから避難できる「指定暑熱避難施設」(クーリングシェルター)の数が、県内で増えている。市町などの公共施設のほか、民間事業者の協力も得て、この1年で1・5倍に増えた。
近年の夏は災害級とも形容される暑さが続くだけに、熱中症の危険を避ける施設が増えるのは歓迎だ。万が一に備え存在することが安心につながる施設とも言え、さらなる拡大を目指したい。
気象庁が発表した6~8月の3カ月予報では、今夏も気温は平年より高い見通しで、猛暑が予想される。熱中症のリスクは年々高まっており、クーリングシェルターを効果的に活用するなど、あらゆる場面で対策を心掛けなければならない。
クーリングシェルターは2024年4月に運用が始まった。避難施設を市町村が指定し、国が熱中症特別警戒アラートを発表したときに開放される。県内市町の多くは、アラート発表時以外の利用も促している。
県内のクーリングシェルターは24年度末で543施設だった。当初は公共施設中心だったが、スーパーや自動車ディーラーなど民間施設が増え、今年5月1日時点で818施設となった。
市町の意識の高まりが民間に波及した結果と言えるだろう。ただ9町は指定が一桁にとどまっている。趣旨を丁寧に説明し、事業所などの理解を得て協力を取り付けてほしい。
昨年度の県のインターネットアンケートでは、7割超がクーリングシェルターを知っていると答えた。ただ利用は2割に満たず、利用しなかった理由に「どこにあるのか分からない」「近くにない」を挙げた回答が多かった。指定にとどまらず、所在などを分かりやすく周知することが必要だ。
昨年からは、事業者に職場での適切な熱中症対策が義務づけられ、各事業者は早期発見や重症化予防に向けた体制整備を進めた。本格的な暑さを前に、改めて意識を高め取り組みを強めてほしい。
熱中症予防は、一人一人が対策を心掛けることが肝要だ。まずは適切な水分補給や冷房の使用など基本動作を徹底し、外出時に不安を感じたらクーリングシェルターが利用できることを意識しておきたい。
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