南極の平和利用や環境保護などを議論するため、11日から広島市で開かれていた「南極条約協議国会議」が21日、閉幕した。地球温暖化が南極の生態系に大きな脅威になっていることを改めて確認し、対処のため国際的な科学協力を継続することで一致した。絶滅の恐れが指摘されるコウテイペンギンの「特別保護種」指定は、合意に至らなかった。

 会議には南極の積極的な科学調査に取り組む国を中心に40カ国以上が参加。近年、年間10万人を超える観光客への対応と規制、南極での各国の活動に関する透明性の確保などが主な議題になった。国際情勢が混迷を深める中、条約が定める南極の平和利用の意義を再認識する場になった。

 条約は南極大陸の領土主権凍結や、核爆発と放射性廃棄物処分の禁止、国際協力促進を掲げ、1959年に日本を含む12カ国が採択、61年に発効した。日本での会議開催は94年以来32年ぶり。