群馬県が申請者に無料で配った「GUNMA PASSPORT(グンマパスポート)」が大手フリマサイトやオークションサイトに複数出品され、1冊1万円以上で売買されたとみられるケースも生じていることが11日分かった。(上毛新聞)
県は「転売禁止」をホームページ(HP)に明記するが、一部で守られていない状況を把握。売ることも買うことも控えるよう呼びかけ、増刷の可否を含めて対応を検討している。パスポートはインターネット上の”定番ネタ”である「グンマー帝国への入国」とも重なり、想定を上回る人気を集めていた。
申請者に無料で
上毛新聞が複数の大手フリマサイトやオークションサイトで検索すると、11日夕時点で合わせて20件以上の出品が確認された。もともと無料なのに1冊1万円以上の高額取引が成立したとみられるケースや、2冊同時に出品しているケースもあった。
パスポートはLINEの「群馬県デジタル窓口」で申請し、県庁などの対面窓口で受け取る仕組み。5月1日に受け付けを開始すると、想定を上回る申し込みがあり、用意した1万冊分は初日のうちに枠が埋まった。窓口での引き渡しも進んでおり、直後から転売が始まった。
県はLINEの申請番号とパスポートのシリアルナンバーをひも付けて管理している。転売は「固く禁止」と明記し、売ることも買うことも控えるようホームページで呼びかけている。
県観光リトリート推進課は「楽しんで利用したい人に届かなくなってしまうのは望ましくない。公平性の観点で懸念があり、利用者トラブルにもつながりかねない」と、発行目的に沿って申し込んだ人が使うよう求めている。
人気はうれしいが
高額取引については「長く所有してもらえるように質感とデザインにもこだわったので(パスポートを作ったことが)話題になるのはうれしいが、転売は悩ましい。部数が限られたことも助長したのかもしれない」と受け止めた。増刷の可否を含めて対応を検討する。
パスポートは本物の旅券を模したつくりだが、あくまでパンフレット。中身は観光情報とスタンプの台紙で、金銭面の特典はない。
群馬県の魅力を伝えて移住促進につなげようと、歴史や文化など幅広い情報を掲載している。県内35市町村の道の駅や観光案内所にスタンプを設置し、各地を巡ってもらう初めての企画だった。全てそろえて県庁に持ち込むと特別仕様のスタンプが押せる。
用意した1万冊の申請受け付けが初日で終了し、対面窓口に列ができるほどの反響があったパスポートについて、群馬県の山本一太知事は12日の定例会見で「想定を大きく上回る申し込みだった。現在、増刷に向けた検討を進めている」と述べた。3万冊の増刷を検討しており、夏の観光シーズンに間に合うように準備を進めるとした。
山本知事は「これほど反響をいただいたことをうれしく思っている」と手応えを口にした一方、「希望した人全員にお届けできなかったことを大変申し訳なく思っている」と述べた。
人気の要因については、パスポートのデザイン性や機能に加えて「群馬県は『グンマー帝国』と呼ばれている。入るにはパスポートが必要だろうというような、地域イメージを逆手にとった点もある」と分析した。
また、大手フリマ・オークションサイトに複数出品され、高額で売買されたとみられるケースがあることについて、県の担当者は「需要に供給が追い付いていないのが原因。まずはしっかり増刷する」と述べた。
山本知事は「ぜひ転売はやめてほしい」と呼び掛けた上で、「逆に言うとすごく人気があるということ。もっと増やしていき、県民だけではなく群馬に興味がある交流人口の皆さんにも全て持ってもらえたらいい」と展望した。
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