東京地裁などが入る裁判所合同庁舎=東京・霞が関

 髪全体を2ミリにする「原型刈り」を男性受刑者にだけ強制するのは違法だとして、長野刑務所の受刑者が国に損害賠償を求めた訴訟の判決で、東京地裁は18日、請求を棄却した。田中寛明裁判長は、男女間で髪形に差をつけることは矯正処遇にとって合理性があるとして「差別には当たらず、適法」と判断した。

 判決によると、受刑者は2025年4月、髪形を原型刈りにするよう刑務所職員に指導され、拒否した。理髪室に連行されたが、抵抗して散髪は中断。5月に受刑者から申し出て、原型刈りにした。

 訴訟で受刑者は、男女間で髪形の自由に差をつけるのは不合理な差別に当たると主張した。田中裁判長は女性受刑者も「清楚な髪形」などと規定され、髪の長さに一定の制限が設けられていることなどを踏まえ「不合理ではない」と判断した。

 男性受刑者については頭髪を短くする方が財政上の負担が軽く、管理も容易になるとして「矯正目的を実現する上で有効だ」と結論付けた。

 受刑者の髪形を巡っては日弁連が22年、青森刑務所で男性受刑者に丸刈りを強制したのは人権侵害だとして、法務省などに勧告書を出している。