東日本大震災の津波で被害に遭った福島県富岡町の富岡漁港がウミネコの新たな繁殖地になっている。専門家は、復興工事により周辺の環境が変わり、キツネやタヌキなどの天敵が漁港に近づきにくくなったためとみている。
「ミャー、ミャーオ」。15日、長さ100メートルほどの堤防上空をウミネコが鳴き声を響かせながら飛び交っていた。春から夏にかけて繁殖活動をし、巣立っていくという。近くで出港の準備をしていた男性漁師は「まもなくひなが歩き回る姿が見られる」と目を細めた。
同県いわき市の水族館アクアマリンふくしまの獣医師で、福島の沿岸生物を研究している富原聖一さん(53)によると、繁殖地が形成され始めたのは2024年ごろ。多いときで数千羽集まるという。「ウミネコの繁殖地は、陸上から離れた海沿いの島など安全が担保されている場所がほとんど。地続きの堤防での繁殖は珍しく、温かく見守ってくれたら」と話した。
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