県立高の男性講師が教室に小型カメラを設置し着替えを盗撮したとして、性的姿態撮影処罰法違反(撮影)の疑いで県警に逮捕された。学校は子どもたち一人一人が尊重され安心して過ごせる場のはずだ。個人の尊厳を重んじ、真理と正義を希求する人間育成という教育の原点を学校教育に携わる全ての大人が肝に銘じ、尊厳を踏みにじる犯罪を根絶させねばならない。

 県内では昨年も県立高の男性教諭が校内で盗撮したとして同罪などで有罪判決を受けた。これを受け県教委は各校に「盗撮はいつあってもおかしくない」という危機感を徹底。トイレや更衣室、教室など校内の場所ごとに延べ104に及ぶチェック項目を示した盗撮防止ガイドラインを作り、全県立校で月1回の点検を行うなど再発防止対策を講じたはずだった。

 にもかかわらず、再び同様の事件が起きた。講師の逮捕容疑は対策を講じた後の今年4月とされ、結果として対策に十分な実効性があったのか疑わざるを得ない。なぜ再発を防げなかったのか、県警の捜査はあるが、県教委としても詳細に検証すべきだ。

 県教委は新たな対策として、盗撮カメラ探知機20~30台を購入して各県立校に貸与することを決めた。カメラが発する電波やレンズを探知する機能を想定しているといい、目視点検の見落としを補う効果は期待できる。

 ただ、探知機頼りになってはならない。機器を操作する側、ガイドラインを運用する側に必要な視点や姿勢は何か。教職員の研修や児童生徒への指導の在り方も含め、しっかり奏功するよう対策を見直し、その結果を各学校の現場に浸透させてほしい。

 危機感が求められるのは、県立校にとどまらない。私立校、市町教委と小中学校もまた、盗撮をはじめとした性暴力防止対策を見直し、徹底してもらいたい。

 子どもと接する仕事に就く人の性犯罪歴を確認する「日本版DBS」が12月に運用を開始するなど、対策は国を挙げて強化している。2022年施行の教員による児童生徒性暴力防止法は、県警などを含む関係者による連絡協議会を設置できるようにした。盗撮などの被害を再び出さないために、教育関係者だけでなく有識者や保護者なども知恵と力を出し合える仕組みを検討してはどうか。