来春見込まれる県議選に向け、県議会の「議会あり方検討会」で議員定数と選挙区割りについて議論が進められている。各会派が意見表明したが、定数は現状維持と削減で主張が割れた。
人口減少下で定数はどうあるべきか。人口減少地域の声を確保することと、法の下の平等との両立は容易ではない。困難な問題だが、丁寧に議論を進め、幅広い県民が納得できる案を示す責任が県議会には課せられている。
公職選挙法は議員定数について人口比例を基本原則としている。県の毎月人口推計を基にした試算では、3月1日現在の県議1人当たりの県人口は約3万7千人。定数3の鹿沼市選挙区は議員1人当たりの人口が約2万9千人で県平均を大きく下回っている。
このため、公明党議員会と県民クラブは同選挙区の定数を3から2に削減するよう求めた。一方、最大会派のとちぎ自民党議員会は人口減少地域の民意反映などの観点から現状維持を主張した。
民主市民クラブはさらなる熟議の必要性を理由に、改選前の定数見直しに慎重姿勢を示した。共産党県議団も定数維持で意見表明した。
自民は人口比例の原則を重視しつつも、人口減少が進む地域の声が県政に届きづらくなることを懸念する。会派内には、鹿沼で削減となれば、ほかの人口減少地域に波及しかねないことを危惧する声もある。
人口減少問題の克服は、県が掲げる最重要課題だ。人口減少が著しい地域にこそ課題があり、そうした地域の代表を維持するという主張は一定程度理解できる。一方で、同法の基本原則もある。法の下の平等をないがしろにすることはできず、県民が納得できる説明が必要だ。
区割りについては、県内に4選挙区ある1人区について、自民と県民クを除く各会派は解消を主張した。自民は地域性などから1人区には合理性があるとの考えだ。
県議会は2007年選挙で、選挙区を21から18、定数を54から50に削減した。その後、市町村合併に伴い16選挙区となったが、定数は約20年変わっていない。
検討会は10月に結論を出す予定だが、議会内には時間をかけて議論する必要性を指摘する声もある。改選後には議会のあり方を長期的に検討する仕組み作りも必要だろう。
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