“日本一有名な占い師”と呼ばれた細木数子さんの人生をドラマ化したNetflixシリーズ「地獄に墜ちるわよ」(戸田恵梨香主演)が、参考文献に挙げている二つの書籍の内容は、真っ向から対立している。文献は次の通り。
(1)「女の履歴書」(細木数子著、1985年)
(2)「細木数子 魔女の履歴書」(溝口敦著、2006年)
(2)は週刊誌で展開した反細木数子キャンペーンの連載が基になっており、関係当事者らに取材して書かれている。裏社会とのつながりなどを明らかにして、当時、テレビ界で「視聴率の女王」と称されていた細木さんを、表舞台から引きずりおろした。
有名な事柄では、歌手・島倉千代子さんが他人の多額の借金を背負わされた際、細木さんが後見人となって窮地を救いつつ、約3年で袂を分かつまでに何が起きていたのか。
吉田茂ら歴代首相の指南役としても知られた高名な易学者の晩年に、細木さんが“結婚”するも、婚姻無効へと至った裏には何があったのか。
細木さんの著書では、島倉さんについて「次第に苦情を言うようになってきました。ご飯がまずい、待遇が悪い、お小遣いを全然くれない」「島倉には毎月50万円ずつ渡し…」とある。だが、溝口さんの著書では、細木さんは島倉さんを金のなる木と捉え搾取していた、となる。
易学者を細木さんは「師」と仰ぎ、良好な関係を築いたとしているが、溝口さんは否定する。
今回のドラマ(全9話)の前半は、数子に肩入れしたくなる描かれ方となっている。戦後焼け野原の東京で、7歳の数子が食うや食わずの過酷な日々を耐えしのぐ。やがて銀座で3軒のクラブやバーを持ち、夜の世界で経営者の地位を確立していく。欲望ギラギラで成り上がる姿は、たくましい。
しかし、このまま数子ワンサイドな綺麗事で進むのか。不安が頂点に達した頃、ドラマは様相を転じていく。
厄介なことに、細木さんの「女の履歴書」の冒頭には「私の人生を一部フィクションにして綴った」とあり、今回のドラマ冒頭には「この物語は事実に基づいた虚構である」とある。“信頼できない語り手”による自由なお話なのだ。劇中の数子の人生曲線まで含めて詳しく解説する予習復習最適動画をYouTube「うるおうリコメンド」(うるりこ)で公開しています。ドラマ堪能の一助に、よかったらご覧ください。
▼解説動画URL
https://youtu.be/iRx0H_cztfo
▼Netflixシリーズ「地獄に墜ちるわよ」
出演:戸田恵梨香
伊藤沙莉、三浦透子、奥野瑛太、田村健太郎、中島歩
細川岳、中村優子、市川実和子、高橋和也、杉本哲太
余貴美子、石橋蓮司、富田靖子、生田斗真
監督:瀧本智行、大庭功睦
脚本:真中もなか
音楽:稲本響
Netflixにて世界独占配信中
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