次世代型の近距離無線通信「オーラキャスト」が聴覚障害者の日常を変えるかもしれない。従来は発信と受信の一対一だった音声伝達が、イヤホンや補聴器など複数の受信機に同時にできるのが特徴だ。駅をはじめ、雑音の多い場所でも乗り換え案内や緊急放送を耳に直接届けられ、外出の不安を解消できると注目されている。
オーラキャストは「ブルートゥース」の次世代型。2000年代に開発が始まり、高音質や遅延の少なさといった性能も備える。送信機で音声を流せば、対応するスマートフォンのアプリで文字起こしもできる。
「聴覚障害者の生活を大きく変えられる」と指摘するのが、デジタル音響を研究する東京工科大の吉岡英樹講師だ。娘の難聴がきっかけで、オーラキャストに着目。「公共空間ではアナウンスでしか情報が流れないことが多い。緊急時は分かりづらく、電車や飛行機の利用を避ける聴覚障害者もいるが、障壁がなくなるのではないか」と期待する。
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